宝財探偵所の迷宮事件

宝財探偵所が未解決事件に挑みます。

宝財探偵所の迷宮事件 ⑤    3億円事件 英語を話せる男

●事件名
 3億円事件

●事件の概要
 昭和43年(1968年)12月10日午前9時25分頃、東京・府中刑務所の裏で、白バイに乗った警察官に扮した男が、ある会社の社員のボーナス約3億円を銀行から会社へ輸送途中、「あなたの銀行の巣鴨支店長宅が何者かによって爆破されました。この車にも爆弾が仕掛けられているのですぐ車から降りて下さい」と言い、車の下で発煙筒を焚き「爆破する!」などと言い、行員4人を車から降ろし、車ごと3億円を奪った事件。

●事件の動機・背景
 当初事件の犯人は、すぐ捕まると警察は楽観視していた。犯人の残した遺留品が120点にものぼったからである。
しかし、みな大量生産されたもので犯人に結びつく手がかりはなかった。
 事件から2日後の12月12日に、付近の不良少年グループの少年が容疑者として浮上した。捜査員が自宅に向かい、事情を聞こうと思ったが、事件から5日後に少年が自宅にあった青酸物を飲み自殺してしまった。
 その後、赤軍派の仕業ではないかと地元の学生たちが調べられたがあやしい人物は浮かんでこなかった。
 容疑者リスト11万人、捜査動員数17万人という前代未聞な大がかりの捜査もむなしく、昭和50年刑事事件の時効を迎えた。
 そして、昭和63年には、民事の時効を迎えた。

●犯人は誰か

 昭和44年12月12日、3億円事件の容疑者としてある男が任意出頭をしている。
 ちょうど不良少年が容疑者として浮かんだ、1年後のことである。
 事件現場の近くに住んでいる元運転手という男だった。
しかし、12日午後10時30分頃、逮捕状を取ろうと思った直後、1本の電話がかかる。
 1年前の事件の日、ある会社で彼を面接したという会社の社長からだった。
 事件当日面接をし、結局不採用にしたと言う。
彼のアリバイは、この電話によって成立してしまった。
 しかし、1年も前に、30分か1時間程度面接した、しかも、不採用にした者の顔などそうそう覚えているものだろうか。逆にいえば、面接をした方は、1年も前の人事担当の面接官の顔など覚えているだろうか。
 答えはNOである。1ヶ月前ならともかく、1年も前のことである。よっぽど特徴でもないかぎり、それは無理であるのが普通ではないだろうか。
 この電話をしてきた会社の社長という男と、面接を受けたという男がもしグルだった場合、話のつじつまを合わせることは可能である。

 この頃、捜査は「英語」が気になっていた。3億円事件のちょうど1年後ぐらいである。
 英語を話せる地元の男、ということで浮かんできたのがこの男で、逮捕することにした。
 しかし、1本の電話で釈放になった。


 当時、捜査線上に赤軍派が浮上した。
この事件から4ヶ月後に起きる、よど号事件の資金稼ぎではないかと思われる。

 気になる暴力団員がいる。
 この男は、シンガーソングライターMという人物である。
 シンガーソングライターMは、山口組暴力団G籐組という暴力団員で、
この組の団員は、ダンプカーなどで事件を起こしている。
 シンガーソングライターMも、大型免許を持っている可能性がある。

 シンガーソングライターMは、1999年に死亡したといわれる人物で、1995年に田宮高麿が死亡したと発表されてから黒い噂が流れていた人物である。
 しかし、田宮高麿とシンガーソングライターMの顔は似ていて、シンガーソングライターMが田宮高麿と関係がある可能性がある。
 
 このシンガーソングライターの男は、1999年、脳内出血で死亡したとマスコミで報道されている。しかし、現在も生きていることがわかっている。

 その男は、静岡県伊豆のホテルで働いている姿を目撃されている。

 そして、その男は、イギリス人のような文字を書く。イギリス人というのは、日本語を書く時にどういうわけか稚拙な文字になっていることが多い。
 
 このシンガーソングライターMは、イギリス人であるとか、オーストラリアに関係があるといわれていた。