宝財探偵所の迷宮事件

宝財探偵所が未解決事件に挑みます。

宝財探偵所の迷宮事件 22 石井議員刺殺事件

●事件名
石井議員刺殺事件

●事件の概要
2002年10月頃、世田谷区の民主党議員石井氏が、自宅のガレージ付近で、バンダナを巻いた男に胸を刺され殺害された。犯人は、伊藤という右翼の男で、霞ヶ関の警視庁に自首してきた。伊藤の右翼は、「守皇会」という。

●事件の背景
石井議員は、特殊法人道路公団についての調査をライフワークとしていた。

●事件の動機
犯人の伊藤は、右翼団体ということだったが、実際には一人だけの右翼であったということだ。

 この男は、東京・上野で旅行会社を任されていた。
 社長の名前は、石井議員と同じ、Iという。ブラジルの旅行の手配などをしている会社だった。

 被害者の石井議員は、民主党衆議院議員だった。
この石井氏は、刺殺される前に、あることを調べていたという。
 あることというのは、官僚の天下りについてである。
 そして、それに関する法を提示しようとしていた。

 伊藤のお客には、官僚の天下りの会社があった。そこで、外国の視察のための、旅行の手配を頼まれていた。
 しかし、それがたびたびあるというとそうでもなく、1ヶ月に1度ぐらいの割合だった。
 
 伊藤には、つきあっている女性がいた。
 ブラジルのシンガーなどとつきあいがあった、会社のアルバイト社員のMさんという人で、この女性は、桜上水の近辺か沿線に自宅があった。
 ある時、Mさんが妊娠していたことを知らされた。伊藤は結婚を迫られ、うるさくなって殺してしまったと聞いた。
 しかし、それは作り話だった。そして、Mさんは石井議員の娘だった。
 つまり、石井議員の娘は犯人の伊藤とつきあっていたのだ。
 娘が伊藤とつきあいがあっため、石井議員は、伊藤のお客である天下りの会社について調べていたのだろう。
 そのうち、伊藤にとって、石井議員がうるさくなってしまった。

 伊藤の書籍販売の取引先は、四谷にあるキリスト教関係の書店である。

 奥沢のアパートというのは、伊藤の姉が住んでいたが、家賃を滞納しだした頃に何者か(社長?)に殺され、そのままにしておいたらそれが3年経ってしまった。
 
 ブラジルは、日系人が多く、ブラジルは、何かと天皇をたよりにする。
そのせいで、右翼ともつきあいがあり、社長のIは、右翼団体と親しかったが、伊藤は一人で右翼をやっていたところを見ると、Iに対して頭が上がらないことが多いせいもあって、反発し他の右翼とは一線を画していたのだろう。
 この旅行会社はブラジルに本店があり、社長は日系二世のブラジル人ということだったが、日本支店に1年に1度様子を見に来ていた。見た感じ、背は低めだが、サングラスをかけ、銃でも持っていそうなちょうどロスあたりにいるマフィアに似ている。アメリカのマフィアに親か兄弟でもいそうだ。案外、1981年頃に起きたロスの襲撃事件の近所にでもいたのではないだろうか。ノンフィクション作家のO氏や、フィリピンのマルコス元大統領に雰囲気が似ている。

 犯人の伊藤が刺殺した石井議員の妻は、ロシア人で1981年に起きたロスの襲撃事件の千鶴子さんという人と関係がある。 
 この女性は、ロスの事件の三浦和義氏と離婚後、石井議員と再婚している。
 統一協会員であることがわかっている。
 
 伊藤の右翼団体「守皇会」は、現在もあるのだろうか。

 右翼は普通、家族を天皇に殺された人が多く、それで街宣活動を行っていると、公安や警察に目をつけられる。それで、たいてい天皇万歳と叫びながら日頃の鬱憤をはらす。しかし、この伊藤の場合、天皇ではなく、社長に身内を殺されているが、「守皇会」の名のごとく、天皇に気を利かす。
 ブラジル人は日本に住むために、天皇陛下様万歳とやっている。そうすると、外務省の受けがいいのだ。
 伊藤は、犯罪が巧みだし、またたく間にいろんな犯罪に手を染めるので、警察の内部ではそういう人を「標本」と呼んでいる。
 ピッキング、泥棒、詐欺、殺し、サイバー犯罪など、例をあげればきりがない。あまりにも犯罪をおかしすぎた場合、捕まえる方がわりをくう、という時逮捕を躊躇する。

 被害者の石井議員は、道路公団の調査をライフワークとしていた。
 道路公団といえば、小泉内閣構造改革で、道路公団の民営化をすすめており、その際の行革担当議員は、石原伸晃氏だった。しかし、この民営化はうまくいかず、結局、放り出す形で終わっている。
 もし、道路公団の改革は石井議員のせいだ、と改革を反対する族議員に伊藤が買収されていたとしたら、石井議員殺害は、犯行を依頼し、金を渡していた国会議員の族議員の意思によるものであると考えられる。