宝財探偵所の迷宮事件

宝財探偵所が未解決事件に挑みます。

宝財探偵所の迷宮事件 56    札幌市の食中毒事件

●事件名
札幌市の食中毒死事件

●事件の概要
 2012年8月中旬頃に、北海道札幌市にある高齢者関係施設で、老人女性がO157にかかり死亡する事件が発生。その後、16日までに合計6人が食中毒で死亡した。
食中毒にかかった人は100人以上にのぼった。
その後の調べで、札幌市にある気箸い食品会社が製造した白菜の浅漬けが原因食品であることがわかった。
 
●事件の背景
 ここ数年、食中毒による死亡事故が相次いで起きている。
2011年には、焼肉店で出した牛の生肉を食べて食中毒で死亡した事件があり、行政は牛肉の生での提供を夏期に限り2012年7月から禁止した。

●犯人は誰か

 20年前のドラマと酷似する状況 原因菌はボツリヌス菌

 気寮渋い靴診鮑擇寮?劼韻鮨べて死亡した人の中に4歳の女の子が混じっていた。当初は、この女の子が白菜の浅漬けで食中毒にかかったのかどうかがわからなかったが、調べた結果、白菜の浅漬けを食べて食中毒にかかり死亡したことがわかった。
 4歳の女の子も、死亡した老人と同じ物を食べていた、ということだが、食中毒が集団発生した施設は、高齢者関係施設であり、女の子は付き添いか家族であろう。
 死亡した老人の中に、女の子の身内がいるということも考えられる。

 ところで、この事件と同じような内容のドラマが今から20年前に放送されていたことがある。
ドラマのタイトルは、「空と海をこえて」というもので、G藤久美子とK藤茶が主演した。ドラマは、1989年9月16日にTBSで、午後9時~12時まで放送された。
 内容は、高校生の後藤久美子が学習塾の後輩を引率して沖縄県無人島にキャンプに行くというものだが、このキャンプ中に、昼間メンバーが球技をし電話を壊して電話が使えなくなっていたが、その夜、キャンプの食事を作る時に、一緒にキャンプに行った小さな女の子が、キャベツの浅漬けを作るための洗ったキャベツを誤って土に落とし、怒られるとイヤなのでそのまま洗わずに漬物の中に入れたために、ボツリヌス菌が繁殖し、キャンプのメンバーがボツリヌス菌中毒にかかる、というものだ。
 ボツリヌス菌は対処方法が難しく、フランスからの血清を必要としたが、電話が使えないために、覚えたばかのパソコンのネットで連絡を取り、最終的に血清が運ばれてくる、というストーリーになっている。
 この物語の中で、今回の札幌の食中毒の事件と共通点は、浅漬けが食中毒の原因食品となっていたこと、小さな女の子がいたこと、だ。
 札幌の事件では、ボツリヌス菌ではなく、O157による感染だが、気になることに、この事件が起きる2~3ヶ月前に、北海道の高齢者施設で食中毒が発生し、O157によるもの、という結果が出たが、この食中毒で死亡した人や食中毒にかかった人の中に、「嚥下障害」がみられた。
 嚥下障害は、飲み込むことが困難になる症状だが、この症状が出るのはO157ではない。嚥下障害が出るのは、ボツリヌス菌に感染した人の主な症状だ。
 以前の食中毒の施設と今回の食中毒の施設が同じ施設かあるいは関連施設である場合、食中毒で死亡した人の原因菌がO157ではなく、ボツリヌス菌によるものである可能性がある。
 ボツリヌス菌は、土壌、河川、海の近くなどの土に混じっており、密閉状態のビン詰め食品や密封状態のバック食品などの製造過程で、土のついたものを混入ししばらく放置することで菌を繁殖させる。対処方法がなく、一度かかると死亡する例が多い。

 食中毒の原因がボツリヌス菌であると思われるのは、嚥下障害のことだけではなく、
.椒張螢魅攻歟翔任蓮東北地方・北海道地方に多い。
▲椒張螢魅攻櫃蓮¬閉状態のものに繁殖し、浅漬けのパックは密封状態である。
ボツリヌス菌は、肉からではなく、魚や野菜から出ることが多い。
などだ。
 
 今回の白菜の浅漬けは、どこで製造されたものなのだろうか。
 本当に工場内で製造されたのか、あるいは屋外で製造されたものなのか。