北海道が「試される大地」になった理由
1990年代半ばに、長銀が破綻した。
吉田茂内閣ゆかりの銀行破綻は、金融ビッグバンの前兆でもあった。
長銀が破綻した主な理由は、なんと、バブルのツケが回ってきたことだった。
具体的には、バブルで値上がりした土地を担保に金を借りていた人たち(不動産屋が多かったらしい)が、バブル景気が終わって、担保の土地の価格が急落し、それを売ってもバブル期の価格とかけ離れ、借金者が金を返せなくなったのだ。このため、銀行は、不良債権を抱えることになり、とうとう破綻してしまったのだ。
北海道は、この時から評判を落とすことになり、試される大地などとありがたくもないレッテルを貼られることとなった。これには、長銀が関係があったということはあまり知られていないようだ。
しかし、北拓はバブルが崩壊したという1994年頃から不良債権を抱え込み、ついに破綻した。東京の銀行が金貸しを渋っていた頃(バブル崩壊直後)にも、北拓は主に関西方面の不動産業者に大金を貸していたのだ。このため、不良債権が膨れ上がり、銀行として存続できる基準を超えてしまったのだ。
内閣は、予算投入をしたが、少しも状況はよくならず、ついに長銀も破綻してしまった。
この大掛かりな銀行破綻の責任を背負わされたのが北海道拓殖銀行だったのだ。
この後、橋本内閣が「銀行は助けないようにしよう、長銀でいくら資金をつぎ込んでもダメだったのだ」という理由で、金融ビッグバンなる政策を出し、今後、銀行は助けないようにする、ということになったのだ。
銀行と野党は相性が悪いように思うが、この「銀行見捨て政策」を自民党がやることにより、野党勢力に金を貸したり助けることは止めるように釘を刺したも同然だったのだ。銀行は金のない人に金を貸す商売という一面もあるが、それは消費者金融がやればいいじゃないか、ということだ。
日本の自殺率は先進国でもワースト1位の位置にあるが、実は、女性の自殺が多いのだという。しかし、人聞きが悪いのと、もし新たな政策が作られ女性が助かったりでもしたら、また社会党や野党が台頭して自民党が負けたら大変だ、という理由で、官庁に隠蔽するように指示している。