宝財探偵所の迷宮事件

宝財探偵所が未解決事件に挑みます。

宝財探偵所の迷宮事件 ⑮-11    坂本弁護士一家殺害事件のつづき

 
 坂本弁護士は麻原?
 
 坂本弁護士は、麻原彰晃と同一人物である、という説がある。
 坂本弁護士は、オウムと敵対している存在で、オウム裁判の原告の弁護士だったという。
 それが麻原だったとしても、不思議とは言えない。だからこそ、オウムに負けない強い弁護士として知られたのだろう。
 仮に、坂本弁護士は麻原と同一人物であるとする。
 そうすると、自作自演か他の家族が殺害されたのではないかという疑問が出てくる。
 自作自演だった場合、警察の遺体が生き返ったり、死んだフリであったということが必要になってくるが、裁判ではオウムは無罪になっており、事件から30年近く経っても犯人は誰なのか、という声を聞く。
 一方、他の家族が死んでいた場合はどうなのだろう。
 坂本弁護士が麻原だったとして、麻原はオウム真理教がそろそろ有名になってきたので、オウムと対立する役、(オウムを悪い宗教に見せないための努力)は、もうやめて悪に専念しようと思っていたとしたら、オウム裁判を自分の所に持ってきた、「原告側」を自分に見せかけて殺そうとすることを思いつくのだろうか。
 動機的にはそこになかったとしても、結果的に「原告側」を殺害した事件であるという考え方はできる。例えば、その家族(団体?)に直接嫌がらせをしていたのが麻原本人かあるいはその上の人物であった場合は、裁判も難しいし、相手の言っていることにいちいち腹を立てたりもするだろう。
 
 どうしてTBSに行ったのか
 
 麻原とオウム信者は、この事件が起きる直前に、TBSに行き、自分である坂本弁護士のビデオを見せろ、と詰寄り、ビデオを見ている。
 しかし、麻原にしてみたら、本当はそんなことは必要ないはずだ。何故なら、自分が坂本なので確認する必要はない。
 では、どうしてTBSに行ったのだろう。
 例えば、「原告」が、テレビ局と関係のある人物で、それも「3時の○○○」という番組関係者だったとする。
 TBSに行くことにより、「ビデオを見せろ」と詰め寄った時に、誰が関係者をかばうか、かばう人がいるのか、という内部の情報を得るためだったとしたら、わざわざ出向く必要性が出てくる。
 帰った後も、番組を見ることにより何らかの変化を察して様子を伺うことも慣れた人なら可能だろう。
 
 
 実は、こんな話がある。
 1980年代に豊田商事の永野会長が、テレビ、マスコミが集まる中、二人の男に刺殺されるという事件が起こる。この時、刺殺された永野会長が麻原のバックと言われる早川紀代秀だったというのだ。
 そして、この様子を中継したか放送したのが「3時の○○○」である、というのだ。
 早川は、テレビ、マスコミが集まる中刺殺されてしまったことについて、恥や怖かった以外に、政治疑惑のために刺殺されたと思い、その後の自分への扱いがひどい物になったことを、恨んでいたのではないだろうか。
 早川が「3時の○○○」を恨むようになったのは、このことがきっかけだったのだろうか。
 
 そういえば、オウム報道が過熱し連日のようにテレビなどでオウム特集が組まれていた頃、いつものようにテレビやマスコミが集まる中、オウム信者の村井秀夫が、徐裕行なる男に刺殺されたことがあったが、これを、見る人が見、見方によっては、豊田商事で自分(早川)が刺殺されたことを連想させ「オウム事件はその時の復讐だ」というメッセージだったという捕らえ方もできるだろう。
 
 TBSとオウム
 
 「坂本弁護士一家殺害事件(実際には坂本弁護士一家ではない可能性がある)」が、もし、上記のような理由だったとしたら、その後もTBSがオウムテレビ局などと噂を立てられたのも、スタッフの誰かが坂本弁護士一家として殺害されていたのに、そのことに気づかなかったか、あるいは、裁判でオウム側が無罪になってしまったことにより事件の不透明さが、そういった事を取り払うことができないでいるのだろう。