そのときの恨みをいつまでも覚えていて「グリコは中国」と誰かが思っていたとしたら、中国に香港が返還される法案が通り、しかも、グリコが中国に関係した事業でもしようとしていたとしたら、犯人の逆鱗(げきりん)にふれたとみることもできる。そこで、脅迫され、株価が落ち込んでいる時に「のっとり」を企んだ暴力団が、事件を起こしていたとしたら、各地で怪しい会社があった、ということも、Y組の暴力団員がその会社を作っていた、として解決できる。
1980年の後半にそれら会社の社長が不審な死に方をしたのは、事件のことを知っていたからである。同じ暴力団の一味なら、情報を知っていたとしても不思議ではない。
後になって、あの時の犯人は、としゃべられるのが嫌だったので抹殺したのだろう。
グリコは当時、何をしようとしていたのだうか。事業のことで、新しいことをしようと考えていたか、中国に関わる何かをしようとしていたのではないだろうか。
そのことが、MGにとって都合の悪いことだった。満州に関わる何かだろうか。
そして、そのことを知っていた人物の中に犯人がいるはずである。
犯人が、江崎社長に着せたオーバーコートは、その脅しだったとみるのが普通である。
Y組のW会長とは、山口組の渡辺芳則会長である。
渡辺は、事件のあった次の年に、山口組の会長に就任している。事件の手柄を買われて会長の座に就任したに違いない。
当時、この人物を取り調べた警察によると、彼は事件当時アリバイがあったという。
監禁していた倉庫を抜け出し人に会うのは簡単である。しかも、W会長に似た人物は少なくとも3人いる。宮崎氏と金総書記である。
渡辺芳則は、演歌歌手Mという人物で、事件当時、同じ演歌歌手のMという人物が現場にいたとされる。
同じく現場で見張りをし、江崎社長の顔に傷をつけたとされるシンガーソングライターMも、渡辺の息子がその後、シンガーソングライターMのつき人を長年していた。もともと関係があったか、親同士が兄弟のような関係であったのではないかと思われる。
ところで、株の話であるが、ある説によると、グリコ・森永事件の時、金総書記がグリコ株を買ったが全然儲からなかったという。
宮崎学氏の話を信用し、グリコの株を買ったが売った時が540円だったので損をしてしまったのだろうか。
宮崎氏は北朝鮮人だったのだろうか。それとも、この人物が株で失敗した「金総書記」だったのだろうか。
宮崎氏は金の兄弟だったのだろうか。
宮崎氏が渡辺会長だったのだろうか。だとすると、渡辺会長は脅迫では金が入ってきたが、株では失敗していたことになる。
同じ暴力団の会社社長は、どういう風に株でもうけようとしていたかが鍵になる。ちゃんと儲けたのだろうか、それとも、株で失敗したのだろうか。
渡辺のアリバイを証言したのは、グリコの社員である。宮崎氏と思われる人物は、グリコで働いていた。もし、宮崎氏が渡辺だったとすると、会社の内部に詳しい者ということで、この男が情報を部下に流し、誘拐や恐喝をさせていたことになる。
江崎社長の娘の名前を知っていた、といわれているが、宮崎氏と思しき人物の役職は何だったのだろう。
事件現場にいないからといって、無罪にするのはどうなのだろう。
命令役が実行犯と供に現場にいないことはよくあることだ。彼は、その時すでに山口組の幹部だったはずだ。
グリコの中にいれば、警察の動きもある程度わかる。
しかし、驚くべきことが最近になってわかった。
実は、中国という国は、香港が返還されることに対して、喜んではいなかった、ということである。それどころか、あんな国が返ってきたら大変だとすら思い、何とかしてそれを他の国々に表現しようと思ったというのだ。
グリコ青年学校のことからも、グリコは中国人と親しい企業であることがわかる。
香港返還に際して中国と中国人は、それが不愉快である、と思っているうちに、社内で働いていた暴力団の渡辺芳則がそれを実行してしまったらしい。
渡辺のアリバイを証言したのはグリコだし、社内の者が渡辺は違うといえばそれでよかった。
渡辺会長の父親は、ドイツの化学者シュレイダーという人物であり、彼は、第二次大戦中、ドイツでサリンという劇薬を開発しね大量生産していた人物として知られている。実は、シュレイダーには、有名な兄弟が多く、北朝鮮の金総書記や中国の毛沢東とも顔が酷似している。兄弟であるとすると、犯人の渡辺会長が北朝鮮と中国がからんでいることがわかる。
北朝鮮というのは(犯人と関係我あるといわれた)新左翼のことで、中国というのは、青年学校のことであることが見えてくる。