宝財探偵所の迷宮事件

宝財探偵所が未解決事件に挑みます。

宝財探偵所の迷宮事件 ㊳-107    八王子大和田スーパー殺人事件のつづき

 

 女子高生二人を辞めさせようと思っていた?

 

 この事件は、「日本における銃犯罪のターニングポイント」と言われているが、あまりしっくり来ない。その後もそれほど銃が使用された事件が起きているとは言えない。もし使用した事件があったとしても、暴力団同士の対立である。

 ではどういう言い方がしっくりくるかというと、「日本における資産家殺人のターニングポイント」というのはどうだろう。

 この事件の後、仮谷拉致事件でオウムの三人の信者が指名手配されている。

 この事件の犯人は、「日中混成窃盗団」が怪しいと言われているようだが、日中混成窃盗団は、資産家を狙った殺人を多数起こし、そのメンバーの一人が中国の大連で死刑となっている。この死刑になった人物も、八王子スーパー事件のことを言っていたという情報があるので、この窃盗団の関与は濃厚なのかも知れない。

 八王子スーパー殺人の被害者の中で資産家か資産家の娘はいなかったのだろうか。

 被害者の前田さんは都立高校に通っていたが、矢吹さんは私立の高校に通っていた。

稲垣さんという夜間の店長の代理のようなことをしていた女性は、資産的にはどうだったのか不明だが、写真を見る限り資産家にはあまり見えない。

 窃盗団は、施設の中の目先の現金を奪うことを目的にしているように見えるが、実はその施設に関係のある人物を殺害し、その殺害した人物の家の財産を狙おうともしているということなのだろう。

 ところで、事件では3人の女性が死亡しているということだが、夜間の店長代理のようなことをしているI垣さんという女性は、飲食店で男性と大声で喧嘩している姿を度々目撃される等していて評判がよくない。事件が起きたスーパーでは前々から空き巣によく入られていて、それが不安だったので一時的に仕事を辞めていた時期もあったというが、内部の犯行なら比較的、売上金を盗むのは外部からの侵入よりも簡単なはずだ。それを見破られないために、わざと一時的に仕事を辞めていた、ということも考えられる。

 そういう背景があるとして、次の犯行状況が思い浮かぶ。

①女子高生二人はバイトを辞めてもらいたい、と店長が考えていた。お客さんがいるレジの前で一人がレジを打っている隣にもう一人の女子高生がしゃべってきて話ながら仕事をしていた等の情報があり、接客態度が良くなかったらしい。

②しかし、女子高生二人は辞めなかったので、この女子高生と同じ時間帯に店長代理をしているI垣さんに「あの二人を何とかしてくれないか」と店長が頼んでいた。

③夏祭りの日にそれを実行しようと思っていたI垣さんは、最初から殺意があったのかどうかはわからないが、仕事が終わった後に二人の女子高生を事務所内で撃ち殺した。

④撃ち殺した後、ガムテープで二人の手首を交差して巻き、強盗殺人に遭ったかのように見せかけた。

⑤I垣さんが二人を殺害した後、店長が入って来て「どうして殺したんだ」と言い、I

垣さんが二人を殺した時に使った銃が机の上に置いてあったのでその銃を使ってI垣さんを撃ち殺した。そして、金庫にもたれかかせるように遺体を移動した。

⑥強盗殺人に遭ったように見せかけて金庫に銃撃した。

 

 このやり方だと、女子高生二人がガムテープで縛られているがI垣さんは縛られていなかったことが説明できる。

 会社を辞めないからといって未成年を殺害するのはひどすぎるが、当時、殺害まで行かなくても辞めさせたい従業員に物理的な危害を加えることは他でもあったのではないかと思われる。

 I垣さんが銃を持っていたのは、日中混成窃盗団のメンバーかあるいはボスだったからではないだろうか。

 金を管理する人物が会社の金を盗むのは後先考えなければ物理的には簡単である。それを、日中混成窃盗団という団体名を何となく出させておけば、強盗のように見せかけて金を奪うと盗む側もその団体のせいにすればいいや、と何となく安心できる。そのメンバーの誰かであるともっとやりやすい。

 三人は本当に死んだのかどうかが不明だが、事件から25年以上経った後に、二人の女子高生そっくりの二人組を目撃したという話もある。

 I垣さんも本当に死んでいるか不明だが、I垣さんが店長と同一人物で、店長の介入なしに、自分がやったと思われないために、女子高生を殺害した後、自分で自分に銃を向け発砲し倒れたということも有り得る。

 この場合、被害者と加害者の自作自演事件ということになる。

 そうすると、日本で資産家がたくさん殺されているのは、この事件が「はしり」ということになる。同じ年の前半に仮谷拉致事件が起きているが、仮谷拉致事件が有名になったのは、オウムの三人が指名手配されてからであり、この事件の後である。

 このような事件にありがちなのが、警察署長が犯人と同一人物ということである。

その場合、ますます事件は解決しない。

 この事件の被害者の女子高生は、I田大作の娘だという説があり、I田大作なら日本で指折りの資産家である。

 I田は、仮谷清志もとも同一人物である。

 しかし、自作自演の事件なので、被害者がずっと被害者であるわけではない。自分を守る為、と称して、他の資産家に危害を加えることもある。

 しかも、オウム真理教のことで国会証人喚問に呼ばれる寸前だったと言われる。しかし、娘が殺害されたことによって同情を買い、証人喚問はなくなり、代わりにA谷という別の人物が参考人招致に呼ばれている。

 オウム信者がいる会社で、辞めさせたい従業員にサリン等の化学兵器を椅子等に散布し嫌がらせをして退職させるということがから行われていた。

 あまりにも気づかないでいると化学兵器だけではなく、殺害する、という強硬な手段に出ていたということが考えられる。